英語対応可能な電話代行サービスの選び方|利用が向いている企業やメリット
目次
海外の取引先から突然かかってくる英語の電話。外国人のお客様からの問い合わせ。受話器を取った瞬間に英語が流れてくると、社内で英語を話せる人を探し回ることになり、その間ずっと相手を待たせてしまいます。こうした場面を減らす手段として広く使われているのが、英語対応可能な電話代行サービスです。
背景にあるのは、国内で英語をはじめとする外国語の着信が増えているという現実でしょう。出入国在留管理庁の発表によると、2025年末時点の在留外国人数は412万5,395人となり、統計開始以来はじめて400万人を超えました。総人口に占める割合は3.36%で、前年末の3.04%から上昇しています。英語の電話は、もはや一部の企業だけが構えるべきものではなくなりました。
本記事では、英語対応可能な電話代行サービスが向いている企業から、必要とされる背景、選定時のポイント、導入のメリット、契約前の注意点を解説します。
英語対応可能な電話代行サービスが向いている企業

まず押さえておきたいのは、すべての企業にとって最適解とは限らないという点です。向き不向きを先に把握しておけば、比較検討の時間をかなり節約できるでしょう。
相性が良いのは、英語の着信が定期的に発生するものの、そのために専任者を雇うほどの量ではない企業です。専任の英語人材を一人採用すれば、給与のほかに採用費や教育費、社会保険料も発生します。それでいて、その人が離席していれば電話は取れません。着信数が安定しない場合、自社で抱える方式は費用の面でも体制の面でも割に合わなくなります。
業種で見ると、海外に取引先を持つ企業や越境ECの運営者、宿泊施設や飲食店といったインバウンド接客の現場が代表的でしょう。加えて近年増えているのが、次の生活に密着した事業者です。
- 不動産の管理会社
- クリニック
- 自動車販売店
- 介護施設 など
海外展開とは無縁でも、国内で暮らす外国人のお客様が増えれば、問い合わせは自然と外国語で入ってきます。
一方で、向いていないケースもはっきりしています。技術仕様の説明や価格交渉のように、自社の担当者本人が話さなければ決着しない電話が中心の業務では、代行という形式では完結しません。オペレーターは自社の社員ではないため、その場で判断を下せないからです。この場合は、後述する電話通訳という別の方式を検討したほうが実態に合います。
自社の着信がどちらに寄っているかは、過去数か月のログで確かめられます。受けた電話を「取次だけで終わったもの」と「担当者への確認が必要だったもの」に分けてみてください。前者が大半を占めるなら、電話代行は有力な選択肢になるでしょう。
英語での電話対応が求められている理由

英語対応の必要性は、国内と海外の両方向から同時に高まっています。国内では在留外国人と訪日客の増加、海外ではWebを通じた取引機会の拡大。どちらか一方だけを見ていると、対応の遅れに気づくのが遅くなります。
英語対応の不在が生むのは、単なる不便ではありません。つながらなかった電話は機会損失として消え、うまく伝わらなかった電話はクレームとして残ります。
インバウンド需要が増加しているため
日本政府観光局(JNTO)の推計によると、2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万3,600人となり、前年比15.8%増で初めて4,000万人を突破しました。宿泊、飲食、交通、小売と、旅行者が接する業種は広範囲に及びます。
旅行中の問い合わせで特徴的なのは、その場で解決する必要がある点でしょう。当日の予約可否、忘れ物の照会、交通機関の運行状況、店舗の営業時間など、いずれも「折り返します」では間に合いません。そもそも旅行者は日本国内の連絡先を持たない場合も多く、電話を切った時点で接点が失われます。
英語での一次対応ができるかどうかが、そのまま受注の可否を分けます。折り返しという選択肢が使えない以上、この構図は避けられません。
海外市場が拡大しているため
越境ECやWebサイト経由の問い合わせが一般化し、意図せず海外から連絡が入るケースが増えました。自社は国内向けのつもりでも、検索エンジンやSNSを通じて製品情報が海外に届いてしまえば、代表番号に英語の着信が来る可能性は十分にあります。
厄介なのは、そうした電話が予告なく鳴ることです。準備のない状態で受けた一本が担当者を探す社内連絡を引き起こし、商談の初動や既存業務の進行がその分だけ後ろにずれていきます。
海外の取引先とのトラブルを回避するため
取引に関わる電話では、聞き違いや言い違いがそのまま実害に直結します。納期の日付、数量の単位、支払い条件。英語に慣れていない担当者が対応すれば、細かな数字や条件を取り違えるリスクは高まります。
さらに、後から「言った、言わない」が争点になる場面も想定しておく必要があります。電話代行サービスを使えば、受けた内容が報告として文字で残るため、社内での確認と共有がしやすくなりました。通話録音の有無、報告文の保存期間、共有の手順をあらかじめ決めておけば、万一の検証にも耐えられます。
カスタマーサポートを拡充するため
電話がつながらない、あるいは英語が通じないという体験は、そのまま企業の評価として蓄積されていきます。とくに現在は、対応の不備が口コミやレビューという形で可視化されやすくなりました。
一次受けの体制を安定させることは、問い合わせの取りこぼしを減らすための最小限の投資と言えるでしょう。英語での対応窓口があると明示できれば、問い合わせのハードルそのものも下がります。海外の顧客が「この会社は連絡が取れる」と判断できる状態を作ることが、サポート拡充の出発点と言えるでしょう。
英語対応可能な電話代行サービスを選ぶ際のポイント

サービスを比較するとき、多くの方は料金表から見始めます。ただし料金だけでは運用がうまく回るかどうかは判断できません。確認したいのは、次の4点です。
- オペレーターの言語スキルは問題ないか
- サービスの内容と料金のバランスが取れているか
- 提供時間や対応地域は適しているか
- セキュリティ体制に問題はないか
- 電話の報告方法はどのような形なのか
いずれも資料請求の段階で質問できる内容ばかりです。契約してから確かめるのでは遅いため、比較の早い段階で潰しておくことをおすすめします。
オペレーターの言語スキルは問題ないか
「ビジネスレベル」という表記だけでは、実際の対応力は測れません。確認すべきなのは、オペレーターが英語と日本語の双方で正確に伝達できるかどうかです。依頼主が日本の企業である以上、英語を聞き取る力だけでなく、その内容を過不足なく日本語に変換する力が同じくらい重要になります。
求められる水準は、任せる業務によって変わります。取次だけであれば日常会話程度の英語力でも成立するでしょう。しかしクレーム対応やサービス内容の説明が含まれるなら、言い回しのニュアンスまで扱える水準が必要です。自社の電話にどこまでの深さが求められるかを整理してから、オペレーターのレベルを照らし合わせてください。
質問すべき項目としては、採用基準、研修体制、そして自社雇用か業務委託かという点が挙げられます。採用と教育を自社で行っているかどうかは、対応の一貫性を判断する材料になります。可能であれば、自社で頻繁に使う用語をいくつか挙げて、対応経験の有無を尋ねてみるとよいでしょう。
サービスの内容と料金のバランスが取れているか
英語対応可能な電話代行の費用は、初期費用と月額費用に分かれるのが一般的です。初期費用の相場はおおむね1万円から5万円程度とされており、月額費用は委託する業務範囲によって変動します。英語対応は専門性が高いぶん、日本語のみのプランより割高になる傾向があるでしょう。
比較するうえで注意したいのは、表示価格の前提が各社で異なる点です。税別表記と税込表記が混在しているほか、初期費用や保証金の有無、コール数の上限も揃っていません。並べた数字をそのまま比べるのではなく、税区分と初期費用を確認したうえで、月あたりの総額に直してから検討するようにしましょう。
もうひとつ、金額差の意味も読み分けが必要です。一次受けと取次を担う代行型どうしの差は、主に月コール数の上限や対応時間の長さから生まれます。一方、通訳者が会話に加わる方式との差は、担う役割そのものの違いによるものです。この二つを混同すると、安いプランを選んだつもりでも、必要な機能が抜け落ちてしまいます。
提供時間や対応地域は適しているか
対応時間は、相手がどこにいるかで必要な範囲が変わります。国内の在留外国人が中心なら平日日中で足りるかもしれません。しかし北米や欧州の取引先が相手であれば、日本の営業時間内に電話がかかってくる保証はなく、深夜帯の受電体制の有無が価値を左右します。
24時間対応は当然ながら費用に跳ね返ります。そのため、まずは実際の着信時間帯を洗い出し、必要な時間だけを厚くするという判断も現実的でしょう。時間外の着信を自動音声で受け、翌営業日に折り返す運用で足りるケースも少なくありません。
あわせて、導入後に依頼範囲を変えられるかどうかも聞いておくと安心です。事業の成長に合わせて着信が増えたとき、柔軟にプランを見直せる事業者であれば、乗り換えの手間を避けられます。
セキュリティ体制に問題はないか
電話の内容には、顧客の氏名や連絡先、取引条件といった秘匿性の高い情報が含まれます。オペレーターがそれらに触れる以上、情報管理の体制は必ず確認しておくべきでしょう。
具体的には、プライバシーマークやISMS(ISO27001)の取得状況、オペレーターへの情報管理教育の内容、通話データの管理方法と保存期間などが挙げられます。海外拠点を活用している事業者であれば、データがどこに保管されるのかも質問しておきたい項目です。
社内規定を整えている事業者は多いものの、リスクをゼロにはできません。だからこそ、万一の事態が起きたときの連絡経路や対応手順まで確認できると、判断の材料が増えます。
電話の報告方法はどのような形なのか
受けた電話の内容がいつ、どんな形で届くのか。ここは運用の快適さを大きく左右する部分でありながら、比較表には載りにくい項目です。
受電のつど届くのか、営業日ごとにまとめて届くのかで、業務の流れは変わります。手段についても、メール、チャットツール、専用の管理画面など選択肢があり、社内で使っているツールと連携できるかどうかで手間が変わるでしょう。
英語ならではの観点として、報告に原文が残るかどうかも確認しておきたいところです。日本語の要約だけでは、相手が使った言い回しの強さや温度感が抜け落ち、返信の書き方を誤ることがありました。原文と要約の両方が届く形式であれば、担当者は状況を正確に判断できます。報告フォーマットを自社仕様に調整できるかどうかも、あわせて聞いておきましょう。
英語対応可能な電話代行サービスを導入するメリット

導入によって何が変わるのかを整理しておきます。効果はコスト面と品質面の両方に及び、社内の負担軽減と顧客体験の向上が同時に進むでしょう。具体的には、次のメリットがあります。
- コスト削減と業務効率化ができる
- 顧客対応の品質を向上できる
- オペレーターによる対応品質向上ができる
- 海外の顧客から信頼される
それぞれの詳細を解説します。
コスト削減と業務効率化ができる
最も分かりやすい効果が、人材確保にかかる費用の圧縮でしょう。英語対応可能な社員を採用する、あるいは既存社員に語学研修を受けさせるという方法と比べれば、外部委託のほうが初期の負担は小さく済みます。
加えて見落とされがちなのが、稼働時間の問題です。一人分の人件費で24時間の受電体制は作れません。休暇や退職が発生すれば、その瞬間に体制が消えてしまいます。外部委託が解決するのは語学力の不足だけではなく、稼働時間の空白もそこに含まれるでしょう。
さらに、これまで電話対応に割いていた時間をほかの業務に回せるようになります。英語の着信のたびに複数の社員が動いていた状態が解消されれば、社内全体の生産性にも波及していくでしょう。
顧客対応の品質を向上できる
この項目で変わるのは、対応の「量」にあたる部分です。外部に一次受けを任せると、取りこぼしていた着信が確実に受けられるようになり、折り返しまでの時間も短くなります。営業時間内に電話が鳴りっぱなしという状況が解消されれば、お客様から見た到達しやすさは明確に改善されます。
社内側の変化も見逃せません。英語の着信に誰が出るかを都度探す必要がなくなるため、社員は本来の業務を中断されずに済みます。報告を受け取ってから内容を判断する流れに変われば、対応の優先順位もつけやすくなるでしょう。
初動が早くなれば、商談の初期段階での離脱や、トラブルが大きくなる前の火消しにも手が届きます。
オペレーターによる対応品質向上ができる
一方でこの項目は、対応の「質」に関わります。電話代行のオペレーターは、電話応対の訓練を受けた専門職です。挨拶の仕方、用件の聞き出し方、相手を待たせないための言い回しといった技術が標準化されているため、誰が出るかによって応対水準が変わるという状態が解消されます。
英語という観点でも同じことが言えます。ビジネスの場にふさわしい丁寧な言葉づかいは、語学力だけで身につくものではなく、経験の蓄積が必要です。訓練を受けたオペレーターが対応することで、相手に与える印象は安定します。
ただし、その水準を引き出すには自社側の準備も欠かせません。想定問答や取次ルールを整備するほど、オペレーターは適切に判断できるようになります。商品の改定や担当者の変更に合わせて内容を更新し続けることが、取次精度を保つための条件と言えるでしょう。
海外の顧客から信頼される
英語で問い合わせができるという事実そのものが、海外の顧客にとっては安心材料になります。連絡が取れる相手かどうかは、取引を始める際の基本的な判断材料だからです。
英語対応の窓口があることをWebサイトや名刺に明記すれば、問い合わせのハードルはさらに下がるでしょう。逆に、電話をかけても話が通じなかったという経験は、その一回で関係を終わらせてしまう可能性があります。
丁寧な英語で迅速に一次対応が返ってくる。この積み重ねが、企業としての信頼につながっていきます。海外の顧客は、日本の商習慣を前提に待ってくれるとは限りません。反応の速さそのものが評価の対象になると考えておくと、体制づくりの優先順位もつけやすくなるでしょう。
英語対応可能な電話代行サービスを選ぶ際の注意点

導入後に「思っていたのと違う」となりやすい落とし穴を確認しておきます。いずれも契約前の要件定義でほぼ防げるものです。詳しく解説します。
「英語が話せる」だけで選べない
英語を話せる人材が在籍しているという一点で選んでしまうと、運用が始まってから想定とのずれが表面化します。
第一の理由は、代行が担う範囲が一次受けと取次までだという点です。制度や契約条件に関わる込み入った質問が来たとき、オペレーターは自社の担当者ではないため、その場で回答できません。折り返しの約束をして電話を切り、社内で担当者を探し、改めて連絡する。この往復が発生した時点で、期待していた効率化は目減りしてしまいます。
第二に、自社の担当者が会話に参加できないという構造的な制約があります。技術的な仕様の説明、価格交渉、謝罪を伴う対応など、本人が話さなければ成立しない場面では、代行という形式そのものが噛み合いません。こうしたケースでは、通訳オペレーターが通話に加わり、自社の担当者とお客様を三者でつなぐ電話通訳のほうが適合します。担当者は日本語のまま話しながら、判断は自分で下せるからです。
第三に、国内で暮らす外国人の母語は英語とは限りません。在留外国人の国籍別上位は、中国が約93万人、ベトナムが約68万1千人、韓国が約40万7千人、フィリピンが約35万6千人、ネパールが約30万人という構成です。英語だけでは届かない層が一定数存在することが、数字からも読み取れます。相手が第二言語として英語を使う場合、込み入った内容になるほど意思疎通の精度は落ちていくでしょう。英語以外の着信をどう扱うかという方針も、最初の段階で決めておくと後戻りが減ります。
なお、訪日客の場合は上位が韓国、中国、台湾、米国、香港という構成であり、在留外国人とは顔ぶれが異なっていました。自社の電話の相手が主に在留外国人なのか訪日客なのかによって、備えるべき言語は違ってきます。
サービスの実績を確認する
語学力と同じくらい重要なのが、電話応対の事業者としての実績です。医療、金融、不動産のように専門用語や法規制が絡む分野では、近い業種での対応経験があるかどうかで品質が変わります。
導入事例が公開されていれば目を通し、掲載がなければ商談の場で直接尋ねてみてください。経験のある事業者ほど、想定問答の作り方や運用開始までの進め方について具体的な助言をくれるはずです。
あわせて確認しておきたいのが、「やめやすさ」に関する条件でしょう。試験導入を受け付けているか、解約の通知はいつまでに出せばよいか、電話番号やマニュアルを引き継げるか。報告の粒度や取次の判断基準は、実際の着信を処理してみないと見えてきません。乗り換えのコストが読めていれば、最初の一社に過剰な期待をかけずに済みます。
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英語対応可能な電話代行サービスは、「電話に出る人を増やす」ための仕組みです。「英語で判断できる人を増やす」サービスではない、という点を押さえておくと、選定の軸が定まります。
進め方としては、まず自社の着信を〈取次で完結するもの〉と〈担当者の判断が要るもの〉に仕分けてみてください。前者の比率が高ければ電話代行が適し、後者が多ければ通訳を軸にした設計のほうが無理がありません。日常の一次受けは代行に任せ、専門的な会話が必要な場面だけ通訳を挟むという併用も現実的な着地点になるでしょう。
そしてもうひとつ、英語だけで足りる時代ではなくなったという事実も視野に入れておきたいところです。在留外国人が400万人を超えた今、備えるべき言語は英語にとどまりません。導入の段階から多言語への拡張余地を持つ体制を選んでおけば、英語以外の言語での着信が増えたときに、窓口を作り直さずに済みます。
ポリグロットリンクでは、電話通訳「電話de通訳」を提供しています。外国人のお客様から電話が入った際に、かけ直すことなく通訳オペレーターが通話に参加し、3地点3者通訳を行う方式です。2011年の開始以来、全国6,000スポットに導入されており、最大25言語に対応しています。今お使いの電話設備のまま、最短で翌日から運用を始められる点も、準備の負担を抑えたい場合には現実的な利点となるでしょう。
自社センターの運営体制も特徴のひとつです。東京、ブラジルにコールセンターを設立し、採用から教育、実地訓練までを一貫して行っています。映像通訳「テレビde通訳」や多言語コンタクトセンターの運営代行まで手がけているため、窓口では画面越しの通訳、電話では音声のみの通訳といった使い分けも可能です。
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