コールセンターのBPOとは?メリットと任せられる業務の範囲を解説
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「外部に任せられるのは、電話の一次受付くらいだろう」。電話代行と聞くと受付と伝言のサービスを思い浮かべるため、委託できる範囲をその程度と見積もる管理者は多いはずです。
しかし、BPOで任せられる範囲は、受付の前後の手配や記録、センターの管理、外国語での対応にまで広がります。工程ごと任せられることがBPOならではのメリットであり、成果を分けるのは「どこまで任せられるか」より「どこを切り出すか」の線引きです。
本記事では、BPOの定義とアウトソーシングとの違いからBPOならではのメリット、委託できる業務の範囲、範囲の決め方、外国語の窓口を切り出す方法を解説します。
コールセンターのBPOとは

コールセンターBPOとは、電話やメールでの顧客対応に加え、その前後の受付・手配・記録・分析までを一連の業務として外部の専門会社に任せる方法を指します。BPOは、ビジネス・プロセス・アウトソーシングの略です。
委託を受けた会社が、オペレーターの採用や教育、シフト管理、応対品質の改善まで自社の責任で運営するのが一般的です。発注する企業は窓口の運営から離れ、成果の目標と品質の基準を決める役割に回ります。
アウトソーシングとの違い
BPOとアウトソーシングの違いは、任せる範囲と、運営の判断をどちらが持つかにあります。一般的なアウトソーシングは「電話の一次受付だけ」のように作業の一部を外に出し、手順や判断は発注側が決めます。BPOでは受付から後処理までの工程をまとめて委託し、手順の見直しや改善の提案も委託先が担います。
3つの点で並べると、BPOは作業ではなく窓口の運営そのものを預ける契約だとわかります。
比べる点 | アウトソーシング | BPO |
任せる範囲 | 一次受付など作業の一部 | 受付から後処理・分析までの工程 |
手順を決める側 | 発注側が業務の要件と手順を指定する | 委託先が手順を設計し、発注側と合意する |
改善の提案 | 発注側が考える | 委託先が対応記録をもとに提案する |
ただし、一部の作業だけの委託をBPOと呼ぶ会社もあります。契約の前には、呼び名より「どの工程までが委託範囲に入るか」を、提案書や契約書の業務範囲の欄で確かめてください。
現場への指示は委託先を通す必要がある
請負や準委任などの業務委託契約でBPOやアウトソーシングを使う場合、発注側が委託先のオペレーターに直接指示を出すことはできません。発注側が現場に直接指示を出すと、実態が労働者派遣にあたる「偽装請負」とみなされるおそれがあるからです。
対応の手順を変えたいときや、新しい案内を伝えてほしいときは、委託先の責任者に伝え、責任者からオペレーターへ展開してもらいます。急ぎの変更に備えて、連絡の窓口と、伝えてから反映されるまでの日数を契約の時点で決めておけば、変更のたびに経路を探さずに済みます。
コールセンターBPOの5つの業務

コールセンターBPOで委託できる業務は以下の5つで、いずれも外国語の窓口でも切り出せます。
業務の区分 | 主な内容 | 外国語の窓口での例 |
問い合わせの受付 | 商品やサービスの問い合わせ、注文や予約の受付、故障やトラブルの受付 | 訪日客からの予約の変更や、在留外国人からの手続きの問い合わせを受ける |
電話の発信 | 新規顧客への案内、契約更新やお礼の連絡、アンケートや市場調査 | 外国語を話す顧客に、予約の確認や書類の不足を知らせる電話をかける |
電話以外の窓口対応 | メール・チャット・SNSでの問い合わせ対応 | 外国語で届いたメールを翻訳し、同じ言語で返信する |
対応後の事務処理 | 受注データの入力、配送や修理の手配、対応履歴の記録 | 外国語でのやり取りを日本語で記録し、担当部署へ引き継ぐ |
センターの管理 | オペレーターの採用と研修、シフト作成、応対品質の評価、問い合わせ内容の分析 | 言語ごとの入電数を集計し、通訳者の配置を見直す |
5つの業務は、1つずつ切り出して依頼することも、まとめて任せることもできます。詳しく見てみましょう。
問い合わせの受付
問い合わせの受付で委託先がどこまで答えられるかは、回答の手順書がある範囲で決まります。手順書にない問い合わせは社内の担当者へ転送するのが一般的で、どの内容から転送するかの基準を書面にしておくと、委託先のオペレーターが判断に迷いません。
受付は、時間帯で区切って任せることもできます。営業時間外や昼休み、土日だけを委託し、平日の日中は社内で受ける形です。外国語の窓口では、問い合わせの多い英語は終日、ほかの言語は日中だけというように、言語ごとに受付時間を変える切り出し方もあります。
電話の発信
電話の発信を任せる場合は、電話をかける相手の一覧と話す内容を発注側が用意し、電話をかける作業と結果の記録を委託先が担います。外国語の窓口では、話す内容を日本語で用意すれば、各言語への置き換えまで委託先に任せられる場合もあるでしょう。
電話で契約を勧める業務は、特定商取引法の電話勧誘販売にあたり、最初に会社名や勧誘の目的を告げるなどの決まりがあります。委託しても発注側の責任がなくなるわけではないため、話す内容は委託先と一緒に確かめておきます。予約の確認や書類の不足を知らせる連絡のように、契約を勧めない電話であれば、原則としてこの決まりの対象にはなりません。ただし、その電話の中で契約を勧めると対象になりうるため、話す内容の線引きを委託先と決めておきましょう。
メールやチャット
メールやチャット、SNSでの問い合わせ対応は、文字で答える業務のため、よくある質問への回答の型を作りやすく、委託に向いています。回答の型がそろえば、担当するオペレーターが変わっても案内の中身がぶれにくくなります。電話とあわせて、メールやチャットなどの窓口をまとめて運営する拠点は、コンタクトセンターと呼ばれます。
SNSでの対応を任せる場合は、「お詫びと案内まで」のように、委託先が答えてよい範囲を先に決めておきましょう。SNSのやり取りはほかの利用者の目にも触れるため、個別の事情に踏み込んだ回答や補償の約束は、社内で判断する形が安全です。
外国語のメールを任せる場合は、送信前に人が文面を確かめる工程があるかを、委託先に聞いておきましょう。機械翻訳だけで返信すると、手続き名や金額の訳し違いに気づかないまま、顧客に届くおそれがあるためです。
対応後の事務処理
対応後の事務処理を任せると、受注データの入力や手配、対応履歴の記録まで委託先が担います。ただし、社内の顧客管理システムへの入力を伴うため、委託先にどの画面のどの操作まで権限を渡すかを、業務ごとに決める必要があります。
手配の業務では、配送業者や修理業者へ委託先が直接連絡するのか、社内を通すのかも分かれ目です。委託先が直接連絡する形なら手配は早まりますが、業者との取り決めを委託先に共有しなければなりません。引き継ぐ部署が複数あるときは、部署ごとに記録の項目をそろえておくと、受け取った側が聞き直さずに動けます。
センターの管理
センターの管理を任せると、オペレーターの採用や研修に加え、応対品質の評価と問い合わせの分析まで委託先が担います。とりわけ見落とされがちなのが、分析まで範囲に含めるかどうかです。人数をそろえるだけの契約では、応対の質が下がったときに原因を探す役が社内に残るはずです。
外国語の窓口で管理まで任せる場合は、言語ごとに通話を評価できる人がいるかを確かめます。日本語しか話せない管理者では、外国語の通話で正しく案内できているかを判断できないためです。評価できる人がいない言語は、通話の記録を日本語で受け取り、社内で内容を確かめる形にしておくと、品質の管理が委託先任せになりません。
コールセンターBPOのメリット

コールセンターBPOならではのメリットは、次の3つです。
メリット | 作業だけを外注した場合 | BPOの場合 |
引き継ぎ | 受付と手配を別々の会社や部署が担い、伝言で引き継ぐ | 受付から手配・記録まで同じ委託先が続けて担う |
改善 | 改善策は発注側が考える | 委託先が対応記録を分析し、改善案を出す |
外国語 | 外国語の電話は別の窓口や話せる社員に回す | 日本語と同じ手順で受付から記録まで流せる |
どれも作業の一部だけを外注する形では得にくく、工程ごと任せるからこそ生まれます。外注全般のメリットや費用相場は、以下の記事で詳しく扱っているので、あわせてご覧ください。
【関連記事】コールセンターを外注するメリット|費用相場や多言語対応も解説
引き継ぎの抜けが減る
受付から手配、記録までを同じ委託先が続けて担うため、部署や会社の間で伝言する回数が減り、引き継ぎの抜けや遅れが起きにくくなります。受付だけを外注すると、オペレーターが聞き取った内容を社内の担当者が確かめ直す手間が残りがちです。
効果を出すには、受付と手配を同じ契約の範囲に入れることが前提になります。範囲を決める段階で、問い合わせを受けてから手配が終わるまでの流れを書き出し、途中で社内に戻る箇所がいくつあるかを数えておきましょう。戻る箇所が多いほど、まとめて任せたときに減る手間は大きくなります。
改善の提案を受けられる
分析まで委託範囲に含めると、委託先が対応記録をもとに改善の提案を出せるようになります。よくある質問をWebサイトに載せて入電そのものを減らす、案内の文面を変えて同じ問い合わせの繰り返しを防ぐ、といった提案が典型です。
提案を受け取るには、問い合わせの分類の仕方と報告の頻度を、委託先と先に決めておきます。分類が毎月変わると前の月と比べられず、改善の効果を確かめられないからです。
外国語の窓口も同じ流れに乗せられる
工程ごと任せる形なら、外国語の問い合わせも日本語と同じ手順で受付から記録まで流せます。作業だけを外注していると、外国語の電話は別の窓口か話せる社員に回すしかなく、記録の形式も日本語の問い合わせとそろいません。
外国語でのやり取りを日本語の記録にまとめれば、言語の違う問い合わせも同じ報告に並べて分析できます。訪日客が増える時期にどの言語の問い合わせが増えたかを日本語の問い合わせと同じ表で追えるため、受付時間や人員の見直しにもつなげやすくなるでしょう。
コールセンターBPOの委託形態

コールセンターBPOの委託の形は、窓口をまるごと任せる一括委託と、一部の業務だけを任せる部分委託の2つです。どちらが向くかは、問い合わせの中身と社内の体制で分かれます。
比べる点 | 一括委託が向く会社 | 部分委託が向く会社 |
問い合わせの | 手順が決まった定型の問い合わせが大半 | 専門知識や社内の判断が要る問い合わせが多い |
社内の体制 | 窓口を管理する人がいない | 窓口の責任者がいて、運営の方針を持っている |
委託の目的 | 窓口の運営の負担をなくしたい | 夜間や繁忙期など特定の負担だけを減らしたい |
両者の違いを詳しく解説します。
一括委託は定型の窓口に向いている
一括委託が向くのは、手順が決まった定型の問い合わせが大半を占め、社内に窓口を管理する人がいない会社です。受付から記録、センターの管理までを委託先が担うため、社内に残る仕事は報告を受けて方針を決めることに絞られます。
一方で、一括委託では応対の現場が社内から見えなくなります。問い合わせの内訳と代表的な顧客の声を毎月の報告で受け取る取り決めを、委託範囲と一緒に決めておきましょう。報告が届けば、商品や営業の担当者も顧客の声を拾い続けられます。
部分委託は特定の負担を減らす
部分委託が向くのは、窓口の責任者がいて、夜間や繁忙期など特定の負担だけを減らしたい会社です。社内の判断が要る問い合わせは社内で受け続け、手順の決まった業務だけを外に出せます。
部分委託では、委託先と社内の間で問い合わせを受け渡す場面が増えます。どの問い合わせを委託先が受け、どれを社内に回すかを、電話番号や受付時間で分けておくと、顧客が窓口の間を行き来せずに済むでしょう。
コールセンターBPOに任せる業務の決め方

部分委託で切り出す業務は、問い合わせを種類ごとに分けて決めるのが近道です。種類ごとに任せるかどうかを決めると、全部か一部かで迷っていたときより判断がつきやすくなります。分け方は、過去1か月の対応記録から、問い合わせの内容と件数、必要な知識、多い時間帯を書き出すだけで足ります。
定型で完結する業務は任せやすい
任せやすいのは、手順が決まっていて社内の判断を挟まずに完結する業務と、自社では対応する人を確保しにくい業務です。前者には営業時間外の受付や注文の受付が、後者には夜間の対応や外国語での問い合わせが該当します。
切り出す範囲は、一度決めたら変えられないものではありません。最初は夜間の受付だけを委託し、応対品質が安定してから日中の定型の問い合わせまで広げる、という段階的な進め方もあります。範囲を後から広げる可能性があるなら、契約の時点で範囲を変えるときの手続きを決めておくと、追加のたびに契約を結び直さずに済みます。
社内の判断が要る業務は残す
解約の引き留めや、補償の判断がすぐ必要になる重大なクレームは、社内に残す方が対応は早く済みます。委託先に切り出すと、オペレーターが回答のたびに社内へ確認を取り、往復が増えるからです。
対応の手順が書面にまとまっていない業務も、委託の前に手順書を作らなければなりません。委託先が決まってから慌てて作ると、立ち上げが遅れる原因になるでしょう。手順書を作るのが難しい業務は、まず社内に残し、手順が固まってから切り出す順番が現実的だと見ています。
コールセンターBPOの外国語対応について

外国語の窓口を外部に任せる方法は、窓口ごと委託するか、電話通訳を使うかの2つで、回答の責任を社内に残すかどうかで選び方が分かれます。訪日客や在留外国人からの電話は件数が読みにくいうえに対応できる社員が限られ、部分委託で切り出しやすい業務の代表です。
比べる点 | 窓口ごと委託する | 電話通訳を使う |
仕組み | 外国語専用の番号を設け、外国語を話すオペレーターが受ける | 自社のオペレーターが受けた電話に通訳者が加わり、三者で話す |
向いている場面 | 外国語の問い合わせが毎日一定数あり、定型の内容が多い | 件数が少ない、または社内の判断が必要な内容が多い |
社内に残る役割 | 報告を受けて問い合わせの傾向を把握する | 回答の中身を自社のオペレーターが決める |
どちらを選ぶかは、言語ごとの月の入電数と、社内の判断が必要な問い合わせの割合で決まります。入電数を数えるときは、日本語が通じずに切れた電話も記録しておくと、実際の需要に近い数字がつかめます。
窓口ごと委託する
窓口ごと委託する方法は、外国語専用の番号を設け、外国語を話すオペレーターに受付から回答までを任せる形です。外国語の問い合わせが日常的に入る宿泊や交通、小売などの業種では、窓口ごと任せた方が待ち時間を短くできると見ています。
窓口ごと委託する場合も、受付だけで終わらせず、やり取りを日本語で記録して担当部署へ引き継ぐ作業まで範囲に含めることが欠かせません。記録が外国語のまま残ると、社内の誰も内容を追えなくなるからです。
電話通訳を使う
電話通訳は、日本語の窓口の運営は変えずに、外国語の電話が来たときだけ通訳者を呼び出す形です。回答の内容は自社の社員が決めるため、商品知識を委託先に教え込む研修がいらず、少ない件数から始められます。
窓口が対面の場合は、タブレットの画面越しに通訳者が加わるビデオ通訳を使う方法もあります。電話でも対面でも、通訳者を呼び出す操作と、通訳が入ることを相手に伝える一言は、自社のスタッフが覚えておかなければなりません。
外国語の電話だけを通訳につなぎたい場合は、ポリグロットリンクの「電話de通訳」をご検討ください。通話に外国語オペレーターが加わる最大25言語対応の電話通訳で、今お使いの電話に転送設定をするだけで利用できます。
コールセンターBPOに関するよくある質問

コールセンターBPOの委託範囲を決める段階で出てきやすい、3つの疑問に答えます。
クレーム対応も任せられますか?
一次対応は任せられます。お詫びと事実の聞き取り、社内への引き継ぎまでを委託先が担い、返金や補償のように会社としての判断が要る回答は社内に残す形が一般的です。どこから社内へ引き継ぐかは、金額や内容ごとの基準を手順書に書いておくと、委託先のオペレーターが迷わずに済みます。
BPOとBPaaSの違いはなんですか?
仕組みの持ち主が違います。BPaaS(ビーパース)は、委託先が用意したクラウドのシステムを使い、業務の手順も含めてサービスとして提供する形を指すのが一般的です。発注側と合意しながら手順を設計するBPOに比べ、委託先の標準の手順に合わせる場合が多いため、立ち上げは早い一方で、自社独自の対応は入れにくくなりがちです。
件数が少なくても委託できますか?
委託できます。夜間や外国語など、一部の時間帯や言語だけを受ける形であれば、入電が1日に数件の窓口でも依頼できます。ただし、最低の契約期間を設けている会社もあるため、受けたい時間帯と言語を具体的に伝え、その範囲で対応できるかを最初に聞いておいてください。
コールセンターBPOは業務の切り出し方で決まる
コールセンターBPOでは、問い合わせ対応だけでなく、前後の手配や記録、センターの管理、外国語での対応までを外部に任せられます。工程ごと任せるため、引き継ぎの抜けが減り、改善の提案も受けられる点がBPOの強みです。全部か一部かで迷ったときは、問い合わせを種類ごとに分け、切り出す業務を決めるところから始めます。
ポリグロットリンクの多言語コンタクトセンターでは、日本語の窓口はそのままに外国語の電話だけを通訳者につなぐ形から、外国語の窓口をまるごと任せる形まで、入電の量と内容に合わせて切り出し方を一緒に決められます。
外国語の電話が来るたびに話せる社員を探している窓口こそ、最初に切り出す候補です。ご相談の際に次の3点がわかっていると、切り出す範囲をより具体的にご提案できます。
- 言語ごとのおおよその月の入電数
- 外国語の問い合わせが多い曜日と時間帯
- いま外国語の電話にどう対応しているか
外国語の問い合わせへの対応にお悩みなら、ぜひポリグロットリンクまでご相談ください。
■株式会社ポリグロットリンク