コールセンターの費用相場は?外注と内製の費用の違いを解説
目次
電話窓口を新しく設ける場合も、既存の窓口を見直す場合も、最初につまずくのは「結局いくらかかるのか」が読めない点にあります。内製と外注では費用の発生の仕方そのものが違ううえ、外注の見積もりも月額固定型か従量課金型かで総額の意味合いが変わってしまうのです。
しかも人件費の水準は上がり続けています。2026年度の地域別最低賃金は9月に47都道府県すべての答申が出そろい、全国加重平均は前年度の1,121円から56円上がって1,177円となりました。改定額は10月1日から12月2日にかけて順次発効し、最高額は東京都の1,280円です。最低賃金そのもので募集をかけることはまずありませんが、下限が上がれば募集時給の相場も連動します。そこへ多言語対応のような新しい要件が加わると、数年前の相場観はもう当てになりません。
本記事では、コールセンターの形式別の費用と内訳をメインに、運営形式ごとのメリットとデメリット、外注費用が変わる理由、そして削減方法を解説します。
コールセンターの運営形式とメリット・デメリット

コールセンターの運営形式は、外部の専門会社に任せる外注(アウトソーシング)と、自社で人とシステムを抱える内製(インハウス)の2択が基本になります。どちらを選ぶかで、費用の性質そのものが変わってきます。
判断の軸は席数、想定している運用期間、そして業務の専門性の3つです。半年程度の期間限定キャンペーン窓口なら初期費用の重さが効いてきますし、3年以上運用する常設窓口ならランニング費用の差が最終的な総額を決めます。
注意したいのは、総額だけを並べて比較すると判断を誤りやすい点です。初期費用が安い選択肢ほど月々の負担が重くなるという逆転は、実務ではごく普通に起こります。
外注
外注を選ぶ理由として挙げられることが多いのは、立ち上げの速さです。設備も人材も委託先がすでに持っているため、契約から稼働までの期間が短く済みます。繁忙期だけ席数を増やすといった調整も、自社で採用を回すより格段に柔軟です。採用と教育の負担を抱えなくてよい点、拠点が分散することでBCP対策になる点も見逃せません。
費用面では、席数が少ないほど有利に働きます。3席規模の窓口を自社で持つと月90万円前後が必要になるのに対し、同等の業務を委託すれば数十万円で収まるケースが多いためです。
一方でコールセンターを外注するデメリットもあります。応対のノウハウが社内に蓄積しにくく、顧客との接点がブラックボックス化してしまう点は、外注を選ぶ以上ついて回る課題でしょう。個人情報を外部で扱うことになるため、情報漏えいリスクの管理も欠かせません。委託先との定例会や、商品情報を更新するたびの連絡といったコミュニケーションコストが別途発生する点も、あらかじめ織り込んでおくべきです。
内製
コールセンターの内製のメリットは、自社の商品知識を応対へ深く反映できる点にあります。顧客の生の声が加工されずに社内へ入ってくるため、商品改善やサイト改善につながる材料も手に入りやすいはずです。対応範囲を後から広げたり、応対のルールを変えたりといった調整も、自社判断で進められます。
デメリットとして重いのは、採用と教育の負担が常に発生し続ける点です。加えて、ピークに合わせた人員配置が避けられないため、閑散時間帯には手待ちのコストが生まれます。
ピークに合わせざるを得ないのは、電話は同時処理のできない業務だからです。1人のオペレーターが同時に受けられる電話は1本だけで、チャットやメールのように1人が複数の案件を並行して処理することができません。必要人数の決まり方が、他のチャネルとは根本的に異なるのです。
ただし、大規模かつ専門性が高く、長期にわたって運用する窓口であれば、内製のほうが1件あたりのコストを下げられる可能性があります。
【形式別】コールセンターの運営にかかる費用と内訳

コールセンターの費用は、立ち上げ時に一度だけ発生する初期費用と、稼働している限り毎月かかり続けるランニング費用の二層構造です。両者を分けずに比較すると、判断を誤ります。
ランニング費用の中心を占めるのは人件費と通信費です。システムの利用料は目立つ費目に見えますが、総額に占める割合は意外なほど小さく収まります。詳しく見てみましょう。
外注の場合
コールセンターの外注における初期費用は、業務内容のヒアリング、スクリプトとFAQの作成、オペレーターへの初期研修に対する対価という位置づけです。相場は1万円台から数十万円までと幅がありますが、業務が複雑なほど研修工数が増えるため高くなる傾向が見られます。対応言語を増やす場合はさらに上振れします。言語ごとにスクリプトを用意し、それぞれの言語で研修を実施する必要があるため、日本語だけの窓口と同じ初期費用では収まりません。
初期費用を無料と打ち出しているサービスも見かけますが、その場合は月額料金のなかに研修コストが分散して織り込まれているのが実情です。短期利用であれば無料型が有利に働き、長期運用であれば初期費用を払って月額を下げるほうが総額は軽くなります。
契約期間の縛りにも目を向けてください。最低契約期間と、途中解約時の違約金まで含めた総額で比較しなければ、実際の負担は見えてきません。
料金体系は月額固定型、従量課金型、成果報酬型の3つに大別されます。以下に挙げる相場は各社が公開している料金水準にもとづく目安であり、業務内容や地域によって上下する点は前提として押さえておきましょう。
月額固定型
コールセンターの月額固定型は、あらかじめ決めた対応件数の枠内であれば、実際の入電が何件であっても料金が変わらない体系です。取次ぎ対応のみの受電であれば月2万円程度から、月間数百件規模になると30万円程度が一つの目安になります。専門性の高い問い合わせまで任せる場合は、50万円前後まで上がるでしょう。
予算が固定できるため経理処理がしやすく、稟議も通しやすいという実務上の利点があります。年間の費用計画を立てやすい点は、管理部門から歓迎されるでしょう。
気をつけたいのは、枠を下回っても返金されない点です。入電が想定の半分だった月も満額を支払うことになるため、呼量がまだ読めていない立ち上げ初期には割高になりやすい選択といえます。
従量課金型
コールセンターにおける従量課金型は、対応した件数に応じて課金される体系で、受電であれば1件あたり300円から1,000円程度、架電であれば1件あたり100円から300円程度が目安とされています。基本料金を低めに設定し、そこへ件数分を上乗せしていく構成が一般的です。
季節変動が大きい商材や、リリース直後で入電量が予測できない窓口には向いています。使った分だけ支払う形になるため、無駄が出にくいという安心感もあるでしょう。
ただし想定を超えて入電が伸びた月は、請求額も比例して膨らみます。契約前に確認しておきたいのが、課金対象の定義です。着信して応答した時点で1件と数えるのか、一定の通話時間を超えてから数えるのか、間違い電話や無言電話をどう扱うのか。ここの解釈が委託先とずれていると、請求書を見て驚く結果になりかねません。
成果報酬型
コールセンターの成果報酬型とは、アポイントの獲得や受注といった成果1件に対して課金する体系のことで、発信業務で採用されることが多く見られます。アポイント1件あたり1万5,000円から3万円程度が中心で、決裁者への面談を条件にすると3万円から8万円程度まで上がります。
成果が出なければ支払いが発生しないため、費用対効果はきわめて見えやすい体系といえるでしょう。
反面、単価は他の体系より高く設定されます。成果につながらなかった架電のコストを委託先が負担する構造だからです。リストの質が低ければ委託先にとってもリスクが大きくなるため、そもそも受託を断られるケースもあります。
内製の場合
コールセンターを内製する場合、初期費用に含まれるのは、PBXやCTIといった電話設備、オペレーター1人ひとりのパソコンとヘッドセット、通話録音の仕組み、机や椅子などの環境整備、採用にかかる費用、そしてマニュアルとスクリプトの作成までです。
設備の選び方によって金額は大きく振れます。クラウド型であれば数万円から数十万円程度で立ち上げられる一方、オンプレミス型では数百万円規模になることも珍しくありません。クラウド型は初期が軽い代わりにID単位の月額が積み上がっていくため、3年から5年の総額で並べて比較すると判断しやすくなります。
ここで押さえておきたいのは、システムの安さで比較しても総額はほとんど動かないという事実です。内製のコスト構造を左右するのは、あくまで人の数と稼働時間になります。20席規模であってもシステム利用料が総額に占める割合は数パーセント程度にとどまり、残りのほとんどを人件費が占めます。
人数の計画で見落とされやすいのが、休憩や研修、離席といった実稼働以外の時間です。目減り分を織り込まずに人数を決めると、想定した応答率に届かず、結局は増員を迫られてしまいます。コールセンターの稼働率は一般に80%から85%が適正値とされ、国際的な品質規格であるCOPC CX規格でも86%が指標値に置かれています。つまり勤務時間のうち顧客対応に充てられるのは8割程度で、残りは休憩や研修に消えるという前提で人数を積まなければなりません。上乗せ分もそのまま人件費として跳ね返ってきます。
コールセンターの外注費用が変わる主な理由

同じ業務内容に見えても、委託先によって見積額が2倍近く開くケースは珍しくありません。外注費用に差が生まれる場所はおおむね決まっており、要因を知っておけば見積書の読み方も変わってきます。対象となる主な項目は、以下のとおりです。
- 対応件数
- 対応時間
- 対応業務の範囲
- インバウンドかアウトバウンドか
- その他追加費用
相見積もりを取る前に、上記の要因それぞれについて自社の条件を数値で固めておきましょう。条件があいまいなまま依頼すると、各社が異なる前提で試算してしまい、比較そのものが成立しなくなります。
対応件数
件数が多いほど1件あたりの単価は下がります。委託先の立場で考えると理由がはっきりするでしょう。件数が多ければオペレーターの手待ち時間が減り、稼働率が上がるからです。
逆に少件数の窓口では、待機している時間にも人件費が発生します。その分が1件あたりのコストに上乗せされるため、月間10件程度の窓口と月間1,000件の窓口では、1件単価が数倍違っても不思議ではありません。
実務上のポイントとして、見込み件数を多めに申告しないよう注意が必要です。ボリュームディスカウントを引き出そうと過大な件数を伝えると、月額固定型では使い切れない枠に対して支払い続ける事態を招きます。直近半年の実績にもとづいた数字を提示し、増加見込みについては別枠として相談するほうが、結果的に安く収まることもあります。
対応時間
平日9時から18時までの9時間と24時間では、カバーすべき時間だけで約2.7倍に広がります。そこへ土日祝日の稼働が加わるため、必要な人員は単純計算で3倍前後に増える計算です。深夜帯と休日には割増賃金も発生しますから、費用の伸びは人数の伸びをさらに上回ります。
24時間対応を検討する際は、夜間の入電が本当にあるのか、あるとすればどの程度なのかを実績データで確かめてから決めましょう。時間帯によって対応範囲を絞る、夜間だけ折り返し予約の受付に切り替えるといった設計でも、顧客体験を大きく損なわずに費用を抑えられる場合があります。
対応業務の範囲
一次受付だけを任せるのか、それとも商品知識にもとづく質問対応やクレームの一次解決まで任せるのかで、オペレーターに求められるスキルが変わります。スキルの高い人材を確保するには相応の時給が必要になり、その差がそのまま単価へ反映される仕組みです。
受注処理やシステムへの入力といった後工程まで含めると、さらに上振れします。任せる範囲を広げるほど単価が上がるという関係を頭に入れたうえで、どこまでを外に出すかを決めましょう。
インバウンドかアウトバウンドか
受電は顧客側からかかってくるため、待っていれば会話が始まります。発信はそうではありません。不在や着信拒否が当たり前に起こり、1件の会話を成立させるまでに何度もダイヤルする必要があります。
空振りに終わった架電のコストも単価に乗るため、同じ通話時間であっても発信業務のほうが割高になるのが一般的です。アウトバウンドを検討する場合は、この前提で予算を組んでおきましょう。
その他追加費用
見積書に並んでいる月額だけで契約を決めると、超過分や通話料が積み上がって想定を超えることがあります。次の4点は契約前に確認しておきましょう。
費用項目 | 費用の目安と発生条件 | 契約前に確認したいこと |
コールオーバー料金 | 契約件数を超えた分に適用され、基本料金から逆算した1件単価より高く設定されているのが通常。想定の1.5倍程度の入電が続くと総額が大きく膨らむ | 超過分の単価に加えて判定単位も確かめる。月単位か、日単位や時間帯単位かで請求額が変わる |
通話料 | フリーダイヤルは着信側の自社が負担する。1日50件・平均5分・1分20円で22営業日を計算すると月11万円に達し、受電件数が多ければ年間100万円を超える | 見積もりに含まれているのか、実費請求になるのかを確かめる |
追加研修費・ | 初期研修は初期費用に含まれていても、商品追加やキャンペーン変更にともなう更新は別料金というケースが多い | 年間の情報更新回数を伝えたうえで見積もりを求める |
多言語対応の | 平日の日中に1言語だけなら月5万円台のプランもあるが、24時間365日で複数言語となると月20万円を超えるのが一般的。従量課金なら1コール500円から1,500円程度 | 言語ごとに常駐させるのか、必要なときだけ通訳を接続するのかで費用構造が変わるため、どちらの前提で積算されているかを確かめる |
コールセンターの費用を抑える方法

費用を抑える取り組みは、単価の値切り交渉から始めるものではありません。効果が大きいのは、そもそもの業務量を減らす方向の打ち手です。
進める順番にもコツがあります。入電を減らし、自動化できる部分を自動化し、そのうえで体制と契約を見直す。この順で手をつければ、応対品質を犠牲にせずにコストを下げられます。
Web経由の問い合わせが増える施策を実施する
コールセンター費用を抑えるには、そもそもの業務量を減らすことがより効果的です。
進める順番にもコツがあります。入電を減らし、自動化できる部分を自動化し、そのうえで体制と契約を見直す。この順で手をつければ、応対品質を犠牲にせずにコストを下げられます。
通話料金や件数を見直す
フリーダイヤルの料金プランは、契約したまま見直されずに残っていることが少なくありません。着信課金の単価は契約プランと通話時間によって変わるため、現在の通話量に合ったプランへ切り替えるだけで削減できる余地があります。
1件あたりの平均通話時間を短縮する取り組みも効きます。FAQを整備してオペレーターが即座に回答できる状態を作る、スクリプトから冗長な部分を削る、システム上で顧客情報をすぐ参照できるようにする。いずれも1件あたり数十秒の短縮ですが、件数を掛け合わせると通話料にも人件費にも効いてきます。
契約件数の枠と実績の乖離は毎月チェックし、過不足があればその都度調整しましょう。枠を余らせている月が続いているなら、プランを一段下げる交渉材料になります。
IVR(自動音声応答)を活用する
自動音声応答を使い、用件ごとに担当を振り分ける仕組みです。オペレーターにつなぐ前に用件が特定されるため、対応時間そのものが短縮されます。
営業時間外の案内や、資料請求の受付といった単純な用件であれば、有人対応を経ずに完結させられるでしょう。有人対応が必要な電話だけをオペレーターへ回せば、必要な席数そのものを減らせます。
設計上の注意点として、階層は二階層程度までに抑えるようにしましょう。深くしすぎると目的の窓口にたどり着けない顧客が離脱してしまい、削減どころか機会損失になりかねません。迷った場合にオペレーターへ抜けられる導線も必ず用意しておきましょう。
なお、CTIやCRMを新たに導入する場合は、公的支援の対象になることがあります。従来のIT導入補助金は2026年1月に「デジタル化・AI導入補助金」へ名称が変わり、生成AIを活用したシステムも補助対象として明確化されました。対象となるのは事務局に登録されたITツールに限られ、要件や公募時期も年度ごとに変わるため、導入を検討する段階で最新の公募要領を確認しておきましょう。
内製の場合は運営体制を見直す
時間帯別の入電実績を集計し、必要人員を組み直すところから始めましょう。ピークを基準にした固定シフトを組んでいる窓口ほど、削減の余地は大きく残っています。短時間勤務のスタッフをピーク帯に集中させ、閑散帯は最小限の人数でまわす形に変えるだけでも人件費は下がります。
在宅オペレーターの活用も有効です。たとえば早朝や夜間だけ在宅のスタッフに任せる形にすれば、その時間帯のために常駐人員を抱える必要がなくなります。通勤という制約が外れる分、採用できる人材の範囲も広がります。オペレーターの採用と定着が難しくなっている現状については、一般社団法人日本コンタクトセンター協会が公表しているコンタクトセンター企業実態調査でも、雇用環境が継続的な調査項目として扱われてきました。
一次受付だけを外部に出し、専門的な判断が必要な問い合わせのみ自社に残すハイブリッド運用も有効です。全部か無かで考えず、業務を切り分けて配分する発想を持ちましょう。
外注の場合は契約内容を見直す
すでに外注している場合、契約更新のタイミングは削減の好機です。実績にもとづいて次の項目を再設定するだけでも、月額が下がることは珍しくありません。
- 契約件数の枠を直近の実績に合わせ、余らせている分を減らす
- 対応時間帯を入電の実態に合わせて絞る
- 対応範囲を見直し、自社で処理できる業務を戻す
- コールオーバー料金の単価と判定単位を交渉する
- 通話料の負担区分と追加研修費の扱いを確認する
- 使っていないオプションが残っていないか棚卸しする
見直しの効果が特に大きいのが多言語対応の部分です。出入国在留管理庁の発表によれば、2025年末時点の在留外国人数は412万5,395人となり、初めて400万人を超えました。宿泊や小売、医療、自治体窓口など外国人と接点を持つ業種では、日本語以外での問い合わせが届く頻度が上がってきました。
ただし、多言語対応を必ずしも一括で委託する必要はありません。判断を分けるのは、外国語での問い合わせがどの程度の頻度で発生しているかです。
選択肢 | 向いているケース | 費用の出方 |
多言語コールセンターへ一括委託する | 外国語の入電が日常的に相当数あり、受注や予約まで任せたい | 言語ごとに人員を確保するため、入電が少ない月でも固定費が発生する |
電話通訳へ転送する | 外国語の入電が月に数件程度で、既存の日本語窓口を活かしたい | 基本料金と利用実績に応じた課金が中心で、対応言語を増やしても固定費は動きにくい |
多言語AIボットを併用する | 営業時間や所在地の案内など、定型的な問い合わせが多くを占める | 有人対応の件数そのものが減るため、通訳や委託の従量分を圧縮できる |
これらを組み合わせる形も現実的です。定型の用件はチャットボットが処理し、判断が必要な問い合わせだけを通訳につなぐ設計にすれば、対応の幅を保ったまま費用を抑えられるでしょう。
大切なのは、選択肢を並べて比較できる状態を作ることです。コールセンターの運営代行、電話通訳、AIボットのいずれか一つしか扱っていない業者に相談すると、提案は自然とその範囲に寄ってしまいます。多言語対応の課題へ幅広く対応できる業者に相談し、自社の入電状況に対してどの組み合わせが最も安く済むかを設計してもらうほうが、結果的に無駄のない体制にたどり着けます。
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外注の予算を決める
先に予算の上限を決めてから業務範囲を設計しましょう。順序が逆になると、必ず上振れします。あれもこれもと範囲を広げてから見積もりを取れば、提示額が想定を超えるのは当然の結果です。
上限の決め方としては、1件あたりの許容コストから逆算する方法が実務的でしょう。顧客単価や生涯価値をもとに、1件の応対にいくらまでかけられるかを算出し、その範囲内で対応時間と対応範囲を決めていきます。
年間の総額でシミュレーションする作業も欠かせません。繁忙期の超過分まで含めた金額を出しておかなければ、月額ベースの予算はすぐに破綻してしまいます。
複数の業者を相見積もりする
複数社から見積もりを取るのは基本ですが、前提条件がそろっていなければ比較する意味がありません。月間の想定入電件数、対応時間帯、対応業務の範囲、1件あたりの想定通話時間、繁忙期の変動幅。この5点は同じ数値で各社に提示するようにしましょう。
条件をそろえてなお金額差が大きい場合は、その理由を説明してもらうべきです。安い理由が海外拠点の活用や自動化の徹底にあるなら合理的な差といえますが、必要な研修を省いている結果であれば、応対品質の低下という別のコストを支払うことになります。
費用以外にも確認しておきたい項目があります。セキュリティ体制については、プライバシーマークやISO27001の取得状況に加え、入退室管理や通話録音データの保管方法まで踏み込んで確かめることをおすすめします。応対品質のモニタリング頻度と品質レポートの提出有無、そして顧客の声をどこまで共有してもらえるか、定例会をどの頻度で開くかも契約前に取り決めておきましょう。顧客との接点を預ける以上、録音データの提供形式とレポートに含まれる項目は契約書に明記してもらうとよいでしょう。
コールセンターの費用に関するよくある質問

検索されることの多い疑問について、要点を絞って回答します。
Q. コールセンターを構築する費用は最低いくらですか?
外注であれば、取次ぎ対応のみの受電なら月額2万円程度から利用できるサービスも見つかるでしょう。ただし対応件数の枠は小さく設定されているため、入電が枠を超えれば追加料金が発生します。初期費用として別途1万円台から数万円がかかる場合も多く、初月の支出は月額料金だけでは収まりません。
内製の場合は3席規模でも月90万円前後が目安になります。時給1,500円のオペレーターを3名、1日8時間で月22日稼働させると給与だけで月79万円前後となり、そこへ法定福利費やシステム利用料が加わるためです。2026年度の最低賃金は東京都で1,280円、大阪府で1,231円に達しており、都市部で人を集めるならこの水準の時給を前提に試算しておくべきでしょう。加えて、設備とシステムの初期投資も必要になります。
Q. コールセンターの運用でもっとも高い項目はなんですか?
人件費です。オペレーターの給与に加え、法定福利費、交通費、管理者であるスーパーバイザーの人件費、さらに採用費と研修費まで含めると、総額の大半を占めることになります。
電話は同時処理ができず、ピークに合わせた人員配置が避けられないため、必要人数が積み上がる構造になっています。システム利用料は20席規模でも総額の数パーセント程度にとどまるため、削減を考えるならまず人の配置から見直すのが筋道でしょう。
Q. コールセンターの費用対効果を高める方法は?
コストを削る視点だけでなく、1件の応対から得られるリターンを上げる視点もあわせて持ちましょう。
具体的には、応対のなかでアップセルやクロスセルにつながる導線を設計する方法があります。顧客の声を商品改善やサイト改善へ還元し、問い合わせの原因そのものを減らしていく取り組みも有効です。
もう一つ実務で効くのが、取りこぼしの可視化です。応答できずに切れてしまった電話が月に何件あり、そのうち何件が受注や予約につながり得たのかを推計しておくと、コールセンターにかけられる予算の上限が社内で共有しやすくなります。
Q. フリーダイヤルの料金を抑える方法はありますか?
まず料金プランの見直しから着手しましょう。時間帯別プランや、通話量に応じた割引プランが用意されている場合があります。
次に、平均通話時間の短縮とIVRでの一次振り分けによって、着信課金の対象そのものを減らす方法も有効です。自動音声で完結する用件が増えれば、課金される通話は確実に減ります。
さらにFAQやWeb完結の導線を整え、フリーダイヤルにかけなければ解決しない用件を絞り込んでいけば、通話料の総額は着実に下がっていくでしょう。
コールセンター費用の見直しは多言語対応まで含めて相談を
コールセンターの費用は、相場表を眺めて決めるものではありません。自社の席数、対応時間、対応範囲を数値で固めたうえで、初期費用とランニング費用に分けて試算して初めて実像がつかめます。そして削減効果が最も大きいのは、単価の交渉ではなく入電量そのものを減らす設計です。
内製では人件費が総額の大半を占め、最低賃金の上昇にともなって負担は年々重くなる一方でしょう。少席数の窓口であれば外注が有利になりやすく、大規模で専門性が高い窓口では内製の優位が出てきます。
外注では料金体系の選択がリスクの取り方を決めてしまいます。コールオーバー料金や通話料の負担区分、追加研修費といった見えにくい項目が総額を左右するため、月額だけを比べる進め方では判断を誤りかねません。
多言語対応が視野に入っているなら、その部分まで含めて費用設計を相談できる委託先を選びましょう。日本語の窓口と多言語の窓口を別々に構えると、費用が二重になるうえ、転送や引き継ぎの手間まで発生してしまいます。
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