電話通訳サービスとは?導入メリットや選び方、導入事例を解説
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外国語の電話が鳴り、受話器の向こうで聞き取れない言葉が続く。数十秒の沈黙のあと、片言の英語で折り返しを頼んで切る。訪日外国人が年間4268万人に達し、在留外国人が400万人を突破した現在、こうした取りこぼしは特別な出来事ではなくなりました。そしてその一件が、機会損失やトラブルとして跳ね返ってくることも少なくありません。
電話通訳サービスは、その数十秒のあいだに通訳者を呼び出し、必要な瞬間だけ多言語対応を差し込める仕組みです。常駐の通訳者を雇うより柔軟に運用できる一方、料金表だけを見て選ぶと「つながらない」「専門的な話が通じない」という別の壁に突き当たります。
本記事では、電話通訳サービスの仕組みから導入のメリットとデメリット、活用シーン、選び方、そして具体的な導入事例を解説します。
電話通訳サービスとは?

電話通訳サービスは、日本語話者と外国語話者のあいだに通訳オペレーターを電話回線で参加させ、その場で双方向の通訳を行うサービスです。新たな機材を導入する必要はなく、いま使っている固定電話や携帯電話から専用番号へ発信するだけで通訳者がつながる形が一般的です。通訳者は音声のみで状況を把握し、日本語と外国語を往復させながら会話を成立させていきます。
具体的には自治体の窓口や宿泊施設のフロント、コールセンターの入電対応など、利用場面は年々広がってきました。共通するのは「いつ外国語が必要になるか読めない」という条件です。読めないからこそ、常駐の通訳者を置く投資は正当化しにくく、必要な瞬間だけ通訳を呼び出せる仕組みに価値が生まれます。
異なる3つの仕組み
電話通訳といっても、接続の型はおおむね3つに分かれます。用途によって適した型が変わるため、最初に押さえておきたい部分です。具体的な違いは、以下のとおりです。
- 2地点3者通訳:日本語話者と外国語話者が同じ場所にいて、通訳者だけが遠隔から参加する型。窓口カウンターや店頭で、一台の電話をスピーカーにして交互に話す使い方が主流。
- 3地点3者通訳:三者がそれぞれ別の場所にいる型。外国人からかかってきた電話に通訳者を後から加える、あるいは日本側から外国語話者へ架電する場面で使われる。
- AI音声通訳:人ではなく機械が音声を認識して通訳する型。単価が低く待ち時間も短い一方、言い淀みや訛り、専門用語が混ざると精度が落ちやすいという弱点がある。
どの型を主に使うかで必要な機能は変わります。自社の外国語対応が「来訪者」中心なのか「入電」中心なのかを整理することが、比較検討をする際には求められます。
対面通訳・翻訳ツールとの違い
電話通訳の位置づけは、対面通訳と翻訳ツールのあいだに置くと理解しやすくなります。
- 翻訳ツール(アプリ):料金が実質無料で待ち時間もゼロ。短く文脈依存の低い会話には十分ですが、聞き返しや文化的な補足はできない。
- 対面通訳:精度と細やかさで群を抜くものの、事前手配と拘束時間の費用がかかり、突発的な来訪には間に合わない。
電話通訳は、その中間に位置しています。即時性はアプリに近く、精度は人が介在する分だけ高いものの、映像がないため、書類や画面を指し示しながらの説明には向きません。三者の性質を並べたうえで、自社に多い外国語対応がどの帯域に集中しているかを見極めることが重要です。
電話通訳サービスを導入するメリット

電話通訳サービスの利点は、主に以下のとおりです。
- 多言語対応ができる
- 自社採用よりコストが抑えられる
- 専門的な内容でも対応できる
料金の節約だけにとどまりません。上記のメリットから、運用の質を底上げする効果があるのです。とりわけ、対応手段があると分かっているだけでスタッフが受話器を取れるようになる点は、数字に表れにくい大きな変化と言えるでしょう。それぞれ詳しく解説します。
多言語対応ができる
電話通訳サービスを使えば、英語や中国語といった主要言語だけでなく、ネパール語やミャンマー語のように通訳者の少ない言語にも一括で対応できます。出入国在留管理庁によれば、2025年末の在留外国人は412万5395人。国籍は中国・ベトナム・韓国・フィリピン・ネパールと多様化しており、少数言語の対応ニーズも着実に増えているのが現実です。
こうした言語は人材市場に出てくること自体が少なく、自社で通訳者を抱えるのは現実的ではありません。だからこそ、外部の通訳網でまとめて埋められる意義が大きくなります。
自社採用よりコストが抑えられる
多言語人材の採用は、言語ごとに一人を確保する発想になりがちです。ところが実際の入電は言語によって大きく偏り、月に数件しか発生しない言語も出てきます。そのために人を雇えば、稼働率の低さがそのまま人件費の負担につながりかねません。
頻度の高い言語は社内、低い言語は外部の通訳者にという併用設計にすれば、採用の目標人数そのものを引き下げられます。すでに多言語人材を雇用している組織でも、退職や休暇による対応の空白を埋める保険として機能する点は見逃せません。
専門的な内容でも対応できる
高額療養費制度や賃貸契約の礼金、ごみの分別区分など、日本の生活文化と結びついた概念は、直訳しても相手に伝わりません。経験を積んだ通訳者であれば、こうした概念を背景ごと噛み砕いて訳せます。
また、相手の説明が曖昧なときに確認の質問を挟めるのも、人が介在する通訳ならではの強みです。日本の制度と相手国の事情の両方を理解したオペレーターほど、行き違いを未然に防ぎながら会話を組み立てられます。
電話通訳サービスを導入するデメリット

一方で、電話通訳には固有の弱点もあります。代表的なものは、以下の3つです。
- 通信環境に左右されやすい
- 従量課金制の場合は金額が高くなる可能性がある
- 専門用語の通訳は万全ではない可能性がある
ただし、いずれも事前の環境確認や準備で影響を小さくできるものばかりで、導入前に弱点を把握しておけば、運用でつまずくリスクは大きく下がります。詳しく見てみましょう。
通信環境に左右されやすい
電話通訳は音声のみで会話を成立させるため、通信環境の影響を受けやすいという弱点があります。電波の弱い場所や騒がしい環境では音声が聞き取りにくくなり、通訳の精度も落ちがち。屋外や地下、機械音の大きい現場では特に影響が出やすくなります。
対策としては、利用する場所の通信品質を事前に確認しておくことです。安定した通話が難しそうなら、固定回線やWi-Fi環境の整備をあわせて検討したいところです。
従量課金制の場合は金額が高くなる可能性がある
通話時間に応じて課金される従量制では、長時間の対応が続くと想定を超える費用になりやすい点に注意が必要です。とりわけクレーム対応や契約説明のように、一件あたりの通話が長引きやすい用途では、従量制が不利に働く場合があります。
自社の使い方が従量制と固定型のどちらに向くかは、月間の利用件数や平均通話時間を見積もったうえで比較するのが確実です。過去の外国語対応の記録があれば、そこから平均通話時間を割り出して見積もりを依頼すると精度が上がります。
専門用語の通訳は万全ではない可能性がある
業種特有の商品名や制度用語は、事前の共有がないと初動で正確に訳しきれないことがあります。特に医療や法務のように高度な専門性が求められる領域では、通訳者の得意分野との相性が結果を左右するでしょう。
このリスクは、用語集を事前に渡しておくことや、自社の分野に対応実績のある事業者を選ぶことで下げられます。万全ではないという前提に立ち、準備で補う姿勢が大切です。
電話通訳サービスのおすすめ活用シーン

電話通訳が力を発揮するのは、外国語対応が突発的に発生し、言語もタイミングも読めない現場です。共通するのは、その場で意思疎通を成立させないと機会損失や安全上の問題につながるという点です。ただし業種ごとに求められる接続方式や通訳の質は異なるため、自社のシーンに引き寄せて考えることが欠かせません。業種別に詳しく解説します。
コールセンター
日本語のコールセンターに外国語の入電が混ざる場合は、オペレーターの判断で通訳者を会議通話に引き込む運用が現実的でしょう。IVR(自動音声応答)で言語を振り分けたり、外国語専用の番号を用意したりと、運用設計の自由度も問われます。既存のセンター運用を維持したまま多言語対応だけを追加できるかどうかが、事業者選びの分かれ目になります。
飲食店・宿泊施設
観光庁の調査では、訪日客が旅行中に困ったことの上位に「施設等のスタッフとのコミュニケーション」が挙げられます。飲食店や宿泊施設の現場では、予約変更やアレルギー対応、支払い方法の説明など、短くても誤れば機会損失につながる会話が少なくありません。
店舗を展開している企業なら、繁忙時間帯に複数拠点で同時に使えるか、宿泊施設なら深夜のフロント対応を賄えるかどうかが判断材料になります。
契約・各種手続き(携帯・通信・レンタカーなど)
携帯電話や通信サービスの契約、レンタカーの貸渡手続きなど、各種契約に関わる会話も電話通訳が活きる場面です。契約期間や料金プラン、補償の範囲、解約時の条件といった説明は、少しの取り違えが後日のトラブルにつながりかねません。専門用語や制度に沿った正確な案内が必要です。
こうした分野では、業界の商習慣を理解した通訳者かどうかで案内の質が変わります。ポリグロットリンクは携帯・通信商材やレンタカーの貸渡関連の対応を得意としており、料金や契約条件を外国語の顧客にも過不足なく伝えられるでしょう。契約という慎重さが求められる場面だからこそ、経験のある通訳者に任せられる安心感は見逃せません。
自治体(行政)
自治体の窓口は、住民登録、国民健康保険、税、子育て支援など、用語が制度と一体化しており、直訳では伝わりにくいのが特徴です。加えて来庁者の使用言語を事前に予測できないため、幅広い言語への即応が求められます。
こうした現場では、庁内の各課へ内線で回される電話に、そのつど通訳を挟める設計が使いやすくなります。窓口の外線電話をそのまま多言語化できるかが、導入効果に直結するでしょう。
電話通訳サービスを比較する際のポイント

比較の軸はいくつもありますが、社内で優先順位をつけると迷いが減ります。まず言語のカバー率と通訳の精度、次に料金体系、そのうえでセキュリティや対応時間を見ていく。この順序で確認すれば、導入後の後悔を避けやすくなります。
必要な言語に対応しているか
「対応〇言語」といった数字は目を引きますが、自社に必要な言語が含まれていなければ意味がありません。判断すべきは、対応言語数そのものではなくカバー率です。
自治体であれば住民基本台帳の国籍別データ、企業であれば過去の問い合わせ記録が材料になります。上位の国籍から積み上げて何パーセントまで届くかを確認すれば、必要な言語セットは自然と決まります。
通訳の精度は高いか
通訳の精度は、通訳者の経験や研修体制、そして自社センター運営か外部委託かによって変わります。音声のみで的確に訳せるかどうかは、通訳者が日本と相手国の事情をどこまで知っているかにかかっています。
カタログの説明だけでは実力は見えにくいため、可能であればトライアルで、実際の業務に近い会話を試してみたいところです。
料金は予算内に収まっているか
料金体系は、月額固定型、従量課金型、その組み合わせのいずれかに大別されます。比較で見落とされやすいのが課金単位で、1分単位か30秒単位か、通話開始からか通訳者接続からかといった条件によって実質単価は大きく変わります。
あわせて、次の項目も確認しておきましょう。
- 最低利用料金
- 初期設定費
- 夜間割増
- 言語による単価差
- 通話料の負担区分
想定する一件あたりの通話時間を5分と見るか15分と見るかで、有利な料金体系は逆転します。これらをもとに、予算内におあさっているかを判断してください。
セキュリティ体制は整っているか
通訳の現場では、氏名や住所、病歴、契約条件といった機微な情報が音声で行き交います。プライバシーマークやISMSの取得状況、通訳者への守秘義務の課し方、通話録音の有無と保管期間は、事前に確認しておきたいポイントです。
また、海外センターを利用する事業者の場合は、データの越境移転に関する社内規程との整合も論点になります。自治体や医療機関の調達では評価項目に含まれることも多いため、早めに整理しておくと選定が進めやすくなります。
専門分野や対応時間はニーズを満たしているか
24時間365日対応をうたっていても、深夜帯は一部の言語のみ、あるいは提携先が対応するという条件が付く場合があります。自社の入電が集中する時間帯に、必要な言語がどう扱われるのかを、具体的な時間を挙げて質問しておくと確実です。
あわせて、医療や法務など専門性の高い分野への対応実績があるかどうかも、確認しておきたいところです。
ポリグロットリンクの電話通訳サービス「電話de通訳」

数ある電話通訳サービスのなかでも、業界の先駆けとして実績を重ねてきたのが、株式会社ポリグロットリンクの「電話de通訳」です。
外国人からの電話に、かけ直すことなく外国語オペレーターがその場で参加し、3地点3者通訳を行います。国内の外国人とのコミュニケーションに必要とされる言語の約97%以上をカバーし、最大25言語まで対応可能です。
強みとして挙げられているのは、単に言葉をリレーするのではなく、日本の制度や商業慣行、文化的な背景を理解したオペレーターが対応する点にあります。また、ビデオ通訳で多様な業態の経験を積んだオペレーターが電話にも対応するため、顔の見えない音声だけのやり取りでも的確に意思疎通を図れます。さらに、いま使っている電話設備のまま最短翌日から利用を開始できるなど、導入のしやすさも見逃せません。
ここでは、ポリグロットリンクの電話通訳サービス「電話de通訳」の導入事例を紹介します。
事例1|株式会社JR東日本スマートロジスティクス
JR東日本スマートロジスティクスは、JR東日本グループの一員として貸ロッカー業・スマートロッカー業を展開する企業です。予約・預入・受取・発送に対応する多機能ロッカー「マルチエキューブ」は、北海道から九州まで全国に設置され、国内外の多くの利用者に使われています。
導入前の課題は、外国語での問い合わせ対応でした。インバウンド需要の拡大にともない、ロッカーの利用方法や荷物の受け取りについて訪日外国人からの問い合わせが増えてきたのです。ところがコールセンターや営業所では英語をはじめ外国語に対応できるスタッフが限られており、日本語を話せない利用者への対応がスタッフの負担にもなっていました。円滑な外国語対応の必要性から、通訳サービスの検討が始まります。
複数の通訳サービスを比較したうえで決め手になったのは、対応時間と対応言語の柔軟性、そして二次元コードから音声通話ができる「QRing」を展開している点。この2つを評価し、ポリグロットリンクの導入が決まりました。
運用は、ロッカーの種類に応じて使い分けています。マルチエキューブの問い合わせ窓口であるコールセンターでは三者間通話を活用して多言語で案内し、コインロッカーやICカード式ロッカーの問い合わせを受ける営業所では「QRing」を使って多言語対応を行っています。導入の効果として、日本語を話せない利用者にも多言語でスムーズに案内できるようになりました。かつては利用者と対応スタッフ双方の負担になっていた場面が解消され、顧客満足度の向上とスタッフの負担軽減の両方につながっています。
事例2|JCOM株式会社
JCOM株式会社は、国内最大級のケーブルテレビ事業者として、テレビ・インターネット・電話・モバイルなどのサービスを全国に提供しています。多様な顧客が安心して利用できるよう、きめ細やかなサポート体制の整備に取り組んできました。
課題となっていたのが、コールセンターでの多言語対応です。外国人の加入者が年々増えるなか、英語以外のサポートを強化する必要が生じていました。また、全国で統一した対応体制が整っておらず、たまたまその言語を話せるスタッフに頼る、人に依存した不安定な状態が続いている状態でした。Webサイトは先行して主要5言語に対応していたものの、カスタマーセンターでどう多言語化するかが大きな課題として残っていました。
導入の決め手は、Webサイトで対応する5言語をはじめ主要言語に幅広く対応できること、電話de通訳の導入にあたってカスタマーセンターとの応対フローを柔軟かつ迅速に構築できたこと、そしてポリグロットリンクがインターネットやモバイルの販売ノウハウを持っていたことでした。
現在はカスタマーセンターに導入し、新規加入の希望や各種サービスの問い合わせ対応に活用しています。顧客の母国語で案内できるようになったことで、よりスムーズで質の高いコミュニケーションが実現し、顧客満足度の向上につながりました。電話での多言語対応が可能になったことは、在留外国人の新規加入という成果にも結びついています。
電話通訳サービスの導入はポリグロットリンクにご相談ください
機械翻訳が普及した今、電話通訳に求められる役割は「外国語を話せる人の代わり」から「アプリでは解決できない、間違えられない会話への対応」へと移りました。だからこそ選定では、応答率と言語のカバー率をまず確認し、次に料金体系、そのうえで運用面という順で見極めることが大切です。取り返しがつきにくい要素から確認していくことが、失敗しない導入の要点になります。
ポリグロットリンクの「電話de通訳」は、最大25言語への対応と接続実績95%以上、既存設備のまま最短翌日から使える導入のしやすさを備えた多言語通訳サービスです。自治体の窓口対応からコールセンターの多言語化、携帯・通信やレンタカーなど契約対応の現場まで、業種ごとの事情に合わせた設計をご提案します。外国語の電話対応に課題をお持ちでしたら、まずはお気軽にご相談ください。
■株式会社ポリグロットリンク